砂糖菓子の弾丸

傷痕

傷痕


これもまたすばらしい作品だ。スーパースターが亡くなったあとの真空地帯にたたずむ少女とその周囲の大人の物語。直木賞を取ったあともこの人はあいかわらず、世界を向こうにまわして砂糖菓子の弾丸を撃ち続けている。砂糖菓子? でも本当に砂糖菓子なのだろうか?

ともあれ、円熟とか余裕とかいうものに一生縁がない人のような気もする。ちょうどアナイス・ニンがそうだったように。アンナ・カヴァンがそうだったように。