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- 作者: 倉阪鬼一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/07
- メディア: 新書
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「どんどんバカになってますが大丈夫でしょうか」と、奥方が心配のあまり気もそぞろで、階段から足を踏み外して大きなアザをこしらえたという『五色沼黄緑館藍紫館多重殺人』。この「大丈夫でしょうか」というのは、特に194ページのことを言ってるんでしょうね。『リトモア少年誘拐』を訳した中村保男が、作品のすばらしさのあまり、やはり階段から落ちた故事を思い起こさせます。
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大丈夫もなにも、「いったいこれより先はあるのか!」という凄さです。その異形さはちょうど羽化しかかったセミみたいな感じで、殻を完全に脱いでしまうともはやアートになるしかないのでは。いやアートではなくもっと変なものか……
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