オンガ クオコル」オンガ クタユルコトナシ」

バレエ・メカニック (想像力の文学)

バレエ・メカニック (想像力の文学)


あの「未来の文学」さえも、しょせんは豪奢な追悼にすぎない。SFマガジン1972年9月号によって開けられた扉は、サンリオSF文庫の終刊によって鎖ざされたものとばかり思っていた。
トザサレタモノトバカリオモッテイタ。
しかし見よ! そんなペシミスティックな迷妄を哄笑し去るかように、待ちに待たせたあげく、今ついに世界に放たれたこの本を!
読み始めたばかりであるけれど、先走って断言してしまおう、

こ れ は 傑 作 だ

何よりも文章に同時代の臭みがないのがすばらしい。回りを流れる情報に晒されているかぎり、不可避的にまとわりつくあの垢めいたものが。
天使の文章。