平井功のポー論


噂のRマガジン(仮)はすでに入稿済みという噂のR氏。その氏が影のブレーンとなっているとおぼしき「日本の古本屋メールマガジン」が平井功の貴重なポー論を掲載している。(紹介文第1回第2回

ただこの文章は未完であるうえ、どういうわけか初出の「英語と英文学」に掲載された段階では校正さえも満足になされていない。今回の復刻では残念なことに初出誌のおびただしい誤植はほとんどそのまま残されているようだ。 そのなかには"LoadDunsany"みたいな、英文学専門誌としては恥ずかしすぎるものも混ざっているけれども、同程度に恥ずかしい誤植本を世におくってきたエディションプヒプヒ社主としてはあんまり人のことは言えないかもしれない。

さはさりながら、とりあげられた詩の選択をも含めて、ポー詩にたいする平井のアンビヴァレントな評価が、味わい深い陰影をもって語られる好論文であることは間違いない。平井の場合、ポーに否定的な言辞を吐くということは、ある意味で師の日夏耿之介に叛くことにもなるはずだ。そこを若さ特有の真摯さと直覚力と、そして若さに似合わぬ学識で乗り切るしなやかな文章の一読をぜひ乞う次第。いつの日かエディション・プヒプヒで引用英文の全訳をも含んだ完全校訂版を出したいものである。