マルセル・シュオブ補完計画2 黙示録の獣の巻


DO WHAT THOU WILT P

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一部ではものすごく評価の高いアレスター・クロウリー。しかしいったいどこがいいのか、いまひとつよく分からない。それはともかく、そのクロウリーがパリに滞在中のおり、一夕彫刻家ロダンを訪問しその謦咳に接する機会を持ったという。当時バルザックの彫像を仕上げたばかりのロダンは毀誉褒貶の中にあった。現実にバルザックを見知った人にとってはロダンの彫像はあまりにデフォルメされていて、ほとんど「異形」といっていいほどのものであったから。世間の無理解に腹を立てたクロウリーは俄然発奮し、ロダンを弁護せんと筆をとった。

まあここまではいい。クロウリーが誰を崇拝しようが当人の勝手で別にこっちの知ったことではない。問題はこの後だ。ロレンス・スーティンという人のクロウリーの伝記にはこんなことが書いてある。

……クロウリーは大急ぎでロダンを弁護するため「バルザック」と題するソネットを書きあげた。これはもう一つのソネット「ロダン」とともに、クロウリーの知人であるマルセル・シュオブというパリのライターの手でフランス語に翻訳された。翻訳でこの詩を読んだロダンは感心し、「その予期せぬ暴力の花盛り、そのセンスのよさ、そのイロニー(its unexpected flower of violence, its good sense and its irony)」を惜しみなく褒め讃えた。ある人に言わせれば、この賞賛はクロウリーの詩才にではなくシュオブの翻訳の秀逸さに帰すべきものであったという。しかしクロウリーの名誉のために言っておくならば……
("Do What Thou Wilt: A Life of Aleister Crowley" p.107)

工工工工エエエエエエエエェェェェェェェェ Σ(゚Д゚ノ)ノェェェェェ

そんなソネットなど翻訳するから毒が回ってあたら短い命をますます縮めることになったのではなかろうか。まったく友達と仕事は選ぶことが大事だとつくづく思う。