- 作者: 泡坂妻夫
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本
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ミステリのネタバレとネタばらしの違いに関する私見。
ミステリだとそれこそネタバレになりかねず剣呑なので奇術を例にとろう。30年ほど前に出た『四角な鞄』という本に次のような奇術がのっていた。
術者は右手にハサミ、左手に1m足らずのロープを持っている。
ハサミを水平に構え、ロープの真ん中あたりをその刃にかけてチョキン! 落ちてきたロープを左手で受け、ふっと息をかけると、アラアラ不思議、切れたはずのロープがつながっている。
――実はハサミの刃に仕掛けがあった。ハサミの二枚の刃のうち、観客からは見えない方に、ロープがやっと通れるくらいの幅の空隙があって、チョキン!とやったときにロープはその空隙を通って落ちるのだった――。
上のダッシュ(――)に挟まれた文章は、奇術のネタをばらしているという意味でネタばらしである。一方「ハサミの刃に注目!」というような言葉は、そうするとネタがばれてしまう、という意味でネタバレである。
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豪徳寺の靖文堂書店が三月末に店舗移転ということで、全品三割引きセール中。
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シュオブ全集は(少なくともエディション・プヒプヒでは)出ませんが、「某」の富ノ澤麟太郎特集号と平井功のE.A.ポー論なら近刊予定に入ってます。
でもシュオブも出したいものです。 SpicilègeとかChroniquesとか誰か訳してくれんかな。