独語圏図解戦前推理小説書誌


 
以前小林晋さんに教えていただいた、Mirko Schädel のIllustrierte Bibliographie der Kriminalliteratur im deutschen Sprachraum von 1796 bis 1945がついに到着した(送料をけちって船便で送ってもらったのだ)。

タイトルに「1796年から1945年まで」とあるように、シュピース(「侏儒ペーター」の人)などノーザンガー・ノベルズ時代の作家からアガサ・クリスティの独訳までをカバーする、上下二巻合計1000ページあまりのごつい本である。全ページカラー刷りアート紙の贅沢なつくりには思わずため息が出る。
 

 
上の画像で分かるように、どのページを開いても、左側には淡々と書誌情報、右側には書影が載っている(他に巻末に推理小説叢書の内容一覧がついている)。大部分の著者についてはは生没年の他は一二行の簡単な説明があるだけで、これはちょっと物足りなかったかな?

掲載書目は約9000冊。そうか、たった9000冊集めるだけで戦前のドイツ語圏ミステリ(含む他国語からの独訳)は完蒐できるのか! というような大いなる錯覚を促しかねないたいそう危険な本でもある。