薔という名の

「短歌人」七月号に掲載される花笠海月さんの論考「薔という名の青年」を興味深く読んだ。伝説の雑誌「ADONIS」に太刀川薔名義で短歌を発表していたのは実は……という内容。以前からそういう推測はされていたらしいのが、ここまで動かぬ証拠をつきつけられてはもう逃げも隠れもできません。

 海獣のごと熟睡(うまい)せる青年を仏蘭西蚊帳が白くけむらす

この青年が後の某バーのトド店長だったら面白いのに……と無責任なことを考えてみたりする。