神保町だより

今日はデス博士は一回休みにして神保町のはなし。例年この季節になると転居やら退職やらで蔵書を処分する人が結構でてくる。だからなるべく安くたくさん本を書いたいと思ってる人には千歳一遇、じゃなくて一歳一遇のチャンスなのである。ということで金欠にもかかわらず行ってみたら、崇文荘の軒先にハプスブルク関係の歴史書がずらりと並んでいた。
なんとなく筋の通ったコレクションのように思える。値段もひとしなみに500円以下と異様に安い。――ただひとつだけ難点があって、どの本のどのページも乱暴なアンダーラインと下手な字の書き込みがこれでもかこれでもかとばかりにあるのだ。それも青のボールペンで・・・。
しかし買う。この安さでは買うしかあるまい、ということで10冊買ったら4000円でお釣りが来た。下の写真はその中の一冊、オーストリア=ハンガリー二重帝国の陸軍に関する本。左上に「月給30グルデン」とかいう書き込みが見えるが、なんでそんなことまでわざわざ(´・ω・`)・・・しかしこれを「最後の審判の巨匠」を訳す前に手に入れておけばよかった……今にして思えばあの本の軍隊関係の訳はかなり適当なのだった。しかしナポレオン戦争のことも出ているから、将来「ボリバル侯爵」を訳すようなときがもし来たら、役に立つはずだ、たぶん。