モーリス・ルヴェルのコミック化

puhipuhi2004-12-08

 


この前本屋に行ったら創元推理文庫の『夜鳥』が四版か五版になっていた。順調に版を重ねているようで喜ばしい。

で、今日届いたこの本はグラン・ギニョールの台本集である。80ページほどのイントロダクションの後、グラン・ギニョールの代表的な台本10篇が入念な解題入りで英訳紹介されている、とてもマニアックな本だ。

われらがルヴェルは「暗室にて」(エティエンヌ・レイとの共作)と「暗中の接吻」(創元推理文庫版に収録されている同題の短編の台本化)が採られている。それからオクターブ・ミルボーの例の小説の一部を抜粋した「責苦の庭」(ピエール・シェーヌとアンドレ・ド・ロルド作)なんてのもある。もうフランス的洗練なんてのものは影も形もない、日本で言えば唐沢俊一氏などが紹介している貸本マンガ、森由岐子とか好美のぼるの世界である。

マンガと言えばなぜかマンガ化された「暗中の接吻」が挿絵に収録されているので、ここに一部を紹介しよう。ちなみに「ルヴェル女性説」はやっぱりガセだったようだ。ちょっと残念。