『怪奇礼讃 』

なおもポツポツ読んでいます。

ホッグ「地獄への旅」・・・この人の作品は(「悪の誘惑」もそうだったが)、屋外が舞台であっても、なんとなくそこが屋外という感じがしない。外界の描写が芝居の書割みたいなのだ。この、ある種閉塞感というか、ちょっと不思議な感覚は珍重すべきか。

ブラックウッド「囁く者」・・・「イギリス風ユーモア」というのが実のところよく理解できないのだが、この人のユーモア感覚は実にツボ。「秘書奇譚」もよかったが、この作品もまたよし。ブラックウッドのユーモア風味の強い短編だけ集めて一冊編んだら、さぞかし奇妙な本ができるだろう。