『アルゴノオト あおいの日記』(井亀あおい)葦書房

 ということで、葦書房の一押し本に逃げるなり。葦書房から一冊を選べと言われたら、拙豚は夢野久作の本よりもこちらを選ぶ。17歳の女の子の日記なり。例えばブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」が好きな人ならば必ずや座右の書とならん。もう20年以上前に出た本なりが、まだ葦書房に注文すれば手にはいるらし。偉大なり葦書房
 この人は他に「もと居た所」という作品集も葦書房から出してるけれど、そちらは習作の域を出ず。文体がいかにも借り物なり。それに比べ、「アルゴノオト」の方はちゃんと自分の文体で語っており。しかしくだくだしい説明はあまりしたくなし。一人でも多くこの本を読めよかし