ペルッツ

文学フリマ準備状況(その四)

* レオ・ペルッツ「ボタンを押すだけで」の表紙完成 * * こちらは「主よ、われを憐れみたまえ」の表紙 * * どちらも内容とミスマッチの気がしないでもない。それにしても肝心の本文ができあがっていない。ちょっとあせる。 *

文学フリマ準備状況(その三)

* * ペルッツ「主よ、われを憐れみたまえ」の表紙絵(作成中)。 やはりブルーサティン『驚異の術』の挿絵より。かっこいいでしょう、ふおふおふお。でも内容とまったく関係がないのはここだけの秘密だ。 *

文学フリマ準備状況(その二)

* * レオ・ペルッツ『ボタンを押すだけで』の表紙絵進行中。 元絵はマンリオ・ブルーサティン『驚異の術(Arte della Meraviglia)』の挿絵「アルセナールの爆発と火災(Ignazio Colombo, Scoppio e incendio nell'Arsenale, Venezia 1793)」。 * かっこい…

【幻文名状しがたいコーナー】

おかげさまで『夜毎に石の橋の下で』はまずまず好評の模様。読んでくださったみなさま、どうもありがとうございます。ところで丸善本店(丸の内OAZO店)にレオ・ペルッツコーナーができているのを今日発見! SFの下あたりの棚にちゃんと「レオ・ペルッツ」と…

『夜毎』を置いてある店

夜毎に石の橋の下で作者:レオ・ペルッツ国書刊行会Amazon アマゾンが「在庫あり」になりました!東京のリアル書店では下記の店に複数冊置いてあるようです。 新宿 紀伊国屋書店本店 新宿 ブックファースト 渋谷 丸善&ジュンク堂 神保町 東京堂書店 吉祥寺 …

ペルッツ明日発売!

夜毎に石の橋の下で作者:レオ・ペルッツ国書刊行会Amazon ついに! 『夜毎に石の橋の下で』が明日発売です。よろしくお願いします。「橋の下」というのは時節柄どうかなと思わないでもないけれど、ルドルフ二世が伝統芸能の補助金を切るとかそういう話では全…

『トランペット赤と空の蒼』

『最後の審判の巨匠』の解説を書く参考用にと注文していた本が今ごろ届いた。あたかもラテン系出版社のような暢気さである。まあでも来ただけよかった。 しかしこのCorianという出版社はなかなか奇特な版元で、その出版物はSFと幻想文学の研究書にほとんど特…

ミーラン・ドゥブロヴィッチ『歴史の横領』

歴史の横領―サロンと文学カフェから眺めた両大戦間期およびナチス体制下のウィーン作者: ミーランドゥブロヴィッチ,Milan Dubrovic,鈴木隆雄出版社/メーカー: 水声社発売日: 2003/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る 訳題が…

梶龍雄訳レオ・ペルッツ

右の書影は、「中学生の友二年」昭和38年1月号(小学館)の別冊付録。森英俊さんが掘り出してきたものを、石井春生さんのご好意で貸してもらった。石井さんありがとう! 原作は1918年発表の『九時から九時の間』。 訳は当然抄訳だが、途中の章を手際よく省略…

手錠いろいろ

H:・・・『下宿人』に話を戻すと、あの手錠は、思うに、むかし読んだドイツの小説に、ある男が一日だけ手錠をはめられるはめになってそのためにどんなにいろいろな問題に遭遇しなければならなかったかという話があって、それにかなりのヒントを得たんだよ…

「アンチクリストの誕生」後日譚

たそがれSpringPointに「アンチクリストの誕生」の感想が。ありがとうございます。拙豚はカーの例の短編を読んでいたにもかかわらず、あのラストには「こう来たか!」と驚いた。滅タンの炯眼おそるべし。 「アンチクリストの誕生」は、正月の暇にまかせてま…

『アンチクリストの誕生』(レオ・ペルッツ)  ISBN:3552047174

単行本で60ページほどの中編である。舞台は1742年のシシリア。信心深い靴職人がクリスマス・イブに面妖な夢を見る。気になった彼が聖書学者にお伺いを立てると、なんと、その夢は、世界の終末に出現するアンチクリストの誕生を告げていると言うではないか――…

『聖ペテロの雪』(レオ・ペルッツ) ISBN:1559700831

ペルッツの現代ものの最高傑作。この作品は天衣無縫というか、とにかく縫い目が見えない。そして恐ろしい緊迫感で物語が前へ前へと進んでいき、途中で本を置くことは難しい。 物語は内科医アムベルクが病院で目覚めるところから始まる。最初、彼の記憶はうま…

『どこへ転がっていくの、林檎ちゃん?』

この奇妙なタイトルはロシアの流行歌(?)から取られているらしい。1931年1月、この本を読んで感動した、当時若干22歳のイアン・フレミングは作者ペルッツにあてて次のようなファンレターを書いている。007シリーズで脚光を浴びる20年ほどまえの話である。 …

『レオナルドのユダ』

これはペルッツの遺作である。死後に遺された原稿を、弟子で友人のレルネット=ホレーニアが整理して決定稿としたらしい。それかあらぬか、ペルッツの作品らしからぬ、すっきりとした仕上がりになっている。あのペルッツ小説の醍醐味、迷宮のただ中で置いてき…

『第三の魔弾』

訳者の前川道介氏がこの小説を翻訳していたときは、まだヨーロッパでもペルッツの再評価は始まっていなかったらしい。1920年代にはベストセラーとなりながら、ナチスの台頭以降永らく忘却の淵に沈んでいた彼の小説群は、80年代後半に本国のオーストリアはも…

『夜毎に石の橋の下で』

ルドルフ2世時代のプラハを舞台にした連作短編集にして、おそらくペルッツの最高傑作のひとつ。王ルドルフ2世とユダヤ人の裕福な商人モルデカイ・マイスル、それに「偉大なるラビ」を中心人物として、錬金術師・宮廷画家・道化師・武人などが入れ替わり立…

『九時から九時まで』(レオ・ペルッツ) ISBN:3426032058

よい機会なのでこれからペルッツの未読作品をつぶしていこうと思った。なにしろ外国語の本というのは、少しでも気の向いたときに読んでおかないと、一生本棚の肥やしとなってしまうから。 その第一弾として、『九時から九時まで』をLily Loreによる英訳で読…