2006-01-01から1年間の記事一覧

尻の方向転換

下の小林晋さんのコメントをちょっと検証。 左図がマンガの上のコマ、右図が下のコマの図解です。確かにご指摘の通りサドの連れの人は途中で姿勢を変えているようであります。

貴族の尻は萌えなのか?

素天堂さんよりサドの漫画本をいただく。といってもサドが獄中で描いたマンガとかそういうものではなく、サドを主人公にしたイタリアのコミックである。早い話が素天堂拾遺のここで紹介されているものだ。しかしエロチックな場面は目を皿のようにして探して…

文学フリマその他

文学フリマの参加サークルが明らかになりつつある。今回はCRITICAの探偵小説研究会も参加。それから一時POSEIDONのスタッフだったともいわれマグマのファンサイトなども持っているif→itself さんが参加。それから「万年床。withK」のKというのはあのKさんな…

楽器としての前世

ブラバン作者:津原 泰水バジリコAmazon 馬渕という、人の前世が見えるという女の子が出てきて、主人公の他片(たひら)は「あんたの前世、犬よ」と言われる(p.124)。人間の前生が犬でありうるなら、別にそれがチューバであってもトロンボーンであってもお…

もうひとつの目玉の話

マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)作者:バタイユ発売日: 2006/09/07メディア: 文庫 「目玉の話」の訳者は言う。「要するに、『目玉の話』は話し相手を前に置いた告白として読んだほうが、ぐっと臨場感も面白みも増すのである。原題の「histo…

「目玉の話」のですます調

マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)作者:バタイユ光文社Amazon 驚くべき清新な翻訳だ。既存の生田耕作訳と比べてどちらに軍配をあげるかは人それぞれだろうが、少なくともこれを読んだ後では生田訳が古色蒼然とした、(文字通りの)前世紀の…

レム追悼本正誤表その他

「ですぺら」に謎の三人組があらわれて、「発狂した仕立屋」を買っていってくださったとのこと。ありがとうございました。 残念ながら正誤表が間に合いませんでした。「ですぺら」に置いておきましたので、もしもう一度お立ち寄りの節は「正誤表ください」と…

平井功譯詩集売行き

ちょっと中間決算してみた(一部推定) ですぺら 30冊 書肆アクセス 20冊 マルドロール 15冊 音羽館 10冊 啓佑堂 1冊 直販 20冊 コミケ 14冊 計 110冊 他に献呈が10冊くらい。まずまずの売れ行きで、この分なら「某」マイナス二号も出せそうです。ありがとう…

闇よ、つどえ

ダークネス (ハヤカワ・ミステリワールド)作者:倉阪 鬼一郎早川書房Amazon 初期の異色作「ブラッド」の再来のように人が死ぬ。死ぬ。死ぬ。ばたばたと原因不明のまま死んでいく。一章に一回は殺人の場面があり、しかも今回は必ずペアとなって死ぬから、単純…

ジャーマンロックよ今いずこ

ドイツ・ロックの世界作者:若山 俊介春風社Amazon カンもグルグルもファウストもアモン・デュールもアモン・デュールⅡもタンジェリン・ドリームもクラウス・シュルツェもポポル・ヴーもエンブリヨもアシュラ・テンペルもクラフトワークもノイもラ・デュッセ…

職業カラテカ

別冊 文藝春秋 2006年 09月号 [雑誌]文藝春秋Amazon 桜庭一樹の連載「私の男」がはじまった。舞台は2008年、主人公は結婚したばかりの25歳の女性。連載一回目から物語は急速に展開し作者の意気込みをうかがわせる。傑作の予感。「少女七竈〜」のときも思った…

「発狂した仕立屋」正誤表

ということでコミケで販売いたしましたレム追悼本の正誤表です。実は今年の夏はクーラーが壊れまして、頭がウニ状になったまま翻訳を進めたのでございます、と言っても何の弁解にもなりませんが。下記以外にもいろいろ直したいところはありますが、とりあえ…

後をひく山本文緒

みんないってしまう (角川文庫)作者:山本 文緒KADOKAWAAmazon 実はまだ山本文緒を読み続けている。この人は妙に後をひく。短編集だと「プラナリア」「シュガーレス・ラヴ」「みんないってしまう」「絶対泣かない」を読んだ。このなかでダントツに面白かった…

眼鏡文人の友情

眼鏡文人と言えば福永武彦、ということで物のついでにマチネ・ポエティックの同志中村真一郎の回想記「愛と美と文学」より引用。中村が旧制一校を受験するときのエピソードです。 彼(福永武彦)は私の受験勉強の時間割の作製を手伝い、金のない私に参考書を…

コミケ販売本と周辺事情

コミケもいよいよ明日に迫りました。販売予定本は以下の通りです。 *スタニスワフ・レム追悼本『発狂した仕立屋』 内容はこんな感じです。値段はできあがった本を見てから決めます。1000円くらい? *平井功譯詩集 1500円 東雅夫さんが幻妖ブックブログで紹…

平井功譯詩集取扱店一覧

おかげさまで幾つかのお店で置いてもらえるようになりました。以下取り扱い店一覧です。 ◆神保町に日参する方は⇒書肆アクセス 書影付きで紹介もしていただいています。ありがとうございます。◆中央線沿線の古書愛好家の方は⇒西荻窪音羽館。 地図はペヨトル工…

The Great Return

下町の迷宮、昭和の幻作者:倉阪 鬼一郎実業之日本社Amazon 「いやあクラニーはやはり初期作品が一番良かったねえ!」「本邦唯一の怪奇小説家はどこへ行ったのだ」などと言う人に一番読んでもらいたい短編集だ。ここには大いなる来復がある。クラニー作品系列…

Lたん追悼本入稿

わがエディション・プヒプヒもコピー本段階を脱し、印刷所で印刷してもらうことになりました。その第一弾、「ビブリオテカ・プヒプヒ6」として出すスタニスワフ・レム追悼本は限定100部番号入り。8月12日(土)コミケにて東ぺ58a「エディション・プヒプヒ」…

わるいことをするとおまわりさんがくる

恋愛中毒作者: 山本文緒出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1998/12メディア: 単行本 クリック: 51回この商品を含むブログ (18件) を見る ひょんなことから読み始めたら止められなくなりそのまま最後まで読んでしまった。傑作だったのは単行本で217ページのシ…

スタンプを押すのでございます。

平井功譯詩集の限定番号入れにとりかかる。 七つ道具、といっても二つしかありませんが できあがりはこんな感じ ・・・しかし20冊くらい押したらたちまち飽きた(笑)。だれかボランティアでやってくれるひとはいないものだろうか

平井功譯詩集ナウ

ただいま緑陽社から届きました。 まずはめでたい。 ということでこれから都会に出てクラニー先生の新作を買ってきます。

かみのけ座妄想

アムネジア作者:稲生 平太郎角川書店Amazon せっかくの『アムネジア』スレは>>1のせいもあって大荒れだ。この作品の信者がみんながみんな異常とまではもちろん言わないけれど、祭壇の前でむやみに香を焚いてばかり、という気はほんの少ししないでもない。よ…

『書評 2238年6月』

装幀のヒントになるような本はないかと書棚を漁っていたらインゼル年鑑のレム特集号が出てきた。三十年くらい前に発行された本だ。フランツ・ロッテンシュタイナーやダルコ・スーヴィンなどいかにものメンバーに混ざってジークフリート・レンツなんて人も寄…

レム追悼本表紙案

ちょっと作ってみた。これはさすがにまずいでせうね。まずいやうな気がヒシヒシとする。

オフ会延期

ここで告知しました14日の平井功オフですが、印刷トラブルのため21日に延期となりました。ぬー。すでにあちこちで告知されてますが念のためここにも書いておきます。 本は来週火曜にですぺらに搬入予定ですので、お立ち寄りの際はぜひ手にとってみてください…

ミステリは『枯草熱』でおしまいか

殊能将之の刺激的な断言*1を読んでちょっと考えてみた。 おしまいということはないように思う。例えばランダムネスの濃度自体がプロットに絡む『奇偶 (講談社ノベルス)』、あるいはランダムネスの影響が因果律にまで及ぶ『ウロボロスの偽書 (講談社ノベルス)…

表紙校正来ませり

すでに幻想的掲示板やですぺら掲示板などで告知の出ている「某」マイナス一号ですが、このたび校正が届きました。さすが緑陽社、いい仕事をしています。 表紙の一部。この入魂の美麗さを見よ! こちらは見開き 7月14日、午後7時あたりから「ですぺら」にて…

L氏と乱歩

「……ポオの短篇の内で、前々から是非使って見たいと思っていた筋が二つある。一つは『ホップ・フロッグ』もう一つは『スフィンクス』である」と乱歩は『踊る一寸法師』の自作解説で述べている。『ホップ・フロッグ』からは『踊る一寸法師』が生まれたが、乱…

薔という名の

「短歌人」七月号に掲載される花笠海月さんの論考「薔という名の青年」を興味深く読んだ。伝説の雑誌「ADONIS」に太刀川薔名義で短歌を発表していたのは実は……という内容。以前からそういう推測はされていたらしいのが、ここまで動かぬ証拠をつきつけられて…

ノーマン・ベロウ叩き売り、その他

999(ナイン・ナイン・ナイン)―狂犬の夏 (創元推理文庫)東京創元社Amazon 「狂気の個人出版社」*1Ramble House がOverstock Sale(在庫見切処分)をやっている。柳下毅一郎氏大推奨のハリー・スティーヴン・キーラーのほか、ノーマン・ベロウ、J.T.ロジャーズ…